愛用している機械式が左手の制服になって以降、電池が止まり時を止め、
ひっそりと眠っていたクオーツ式の時計がありました。
レディには花束を、ジェントルは機械式を。
そんな言葉がある。
かどうかは知りませんが、大人のおとこは機械式でしょ、と、
それまで愛用していたクオーツのパイオニア、SEIKOのクオーツ式時計には目もむけずにいた。
この時計は大学卒業後、収入も寸志しかない頃に結婚することになって、
結婚式には左手にも衣装が必要だと、ネットで選んで購入した時計でした。
廉価でありながら、クロノグラフで、大ぶりではないがどこか堂々した佇まいを気に入って、いつも着用しておりました。
社会人として1人前に近づくにつれ、見栄を張りたがるもので、先ほどの詩が思考をむしばみ、ちょっと背伸びして機械式を購入し、着用するようになり、見向きもしないようになった。
そうこうしていると日々頑張って時を知らせてくれたクオーツも、
電池が切れ、時を知らせることもできなくなった。
そこで今回、ふとクオーツも日々使えるようになるといいなと思い、
電池交換をやってみることに。
せっかく自分でやるからには、しっかりやれるようになりたいと。
まずは形から入る。いつも何か始める際はしっかり形から入るタイプです。
時計職人たるもの、それは道具が大事ということで、時計メンテナンスキットをAmazonで探す。
形を極めたエントリーをしたいものの、そうはいっても職人として生きていくつもりもないから、
廉価なキットのなかで評価が高い、JOBSON(ジョブソン) 時計工具 セット PRO (22点 セット)を選択。
工具が届いて、まずは満足。
Amazonの口コミでも評価されていましたが、このJOBSONの時計工具セット、
4千円以下で購入できるという非常にリーズナブルでありながら、時計修理に必要なキットはすべてそろっています。
また初心者なので、見識はございませんが、道具それぞれの品質はよさそうに思います。
形から入る僕は、外観にすごく左右されるのですが、このキットは写真の通り、ポーチがついていますが、スタイリッシュなデザインがGoodです。JOBSONのカードのカラーリングも非常によい。映えますね。
これは僕の鉄板というかあるあるなんですが、自己啓発系やノウハウ系の本をゲットした際とか、
文具をはじめ道具をゲットすると達成感を感じて、満足して安心して終わることが多い。
今回も同様に達成感・安心感を得て、安眠した。
それでは三日坊主ですらない、ということで道具を手に取り、電池交換作業へと、重い腰を上げて取り掛かる。
まずはベルトのピンを外すことに。
裏ブタを外すのに邪魔になりそうなので。あとで調べてみるとベルトのピンはそのままで作業する方もいらっしゃったことを知る。ここで外してしまったことが後に騒動を起こすことになろうとはつゆ知らず。
ピンを外すのは初心でも難なくやれた。
次のステップとして裏蓋外し。
このクオーツはスクリュー式。(他にはネジ式、こじあけ式とある。こじあけ、ってネーミングなんとかならんか。開けたら壊れそうや)
保持器にしっかりとはめ込み。
スクリュー式には、3点式オープナーを使う。
僕のクオーツは、裏蓋のへこみは四角い。へこみの大きさにあう、ビット(オープナーにはめ込む、へこみに引っかけるドライバーの先みたいなもの)がぴったりのものがないので、一番幅が近い三角形のビットを使う。
三角形のビットをつかうので、ビットの角度が合わずへこみにしっかりフィットせず、裏蓋を回すためのホールドが弱く、オープナーを回しても空振る。繰り返す空振りによりビットの塗装がはがれる始末。
僕の使い方が悪かったのか、ビットの塗装が弱めだったのか、それは僕にはわかりませんが、それはそうと、作業を進めなくては。
何度もやり直すが空振りを繰り返す。
また職人にはあるまじき、飲酒のうえでの作業だった。
自分に達成できるのか、暗雲が立ち込める中で、これは精密な作業だ、体調を整えて取り掛かろうと、リベンジを誓い、そっと片づけた。
ということで、、、